日々の暮らし。
そこには、100人100篇の日々と暮らしがあるのだと思います。
わたし達が寄り添いたいのは、ひとりとひとりの日々。そして、暮らし。
そこで、気になるあの人のご自宅やお仕事場にお邪魔して、お話しを聞かせて頂きました。その際、事前にSghrの製品を選んで頂き、実際に暮らしの中で使われた実感や感想をお聞きしました。暮らしの日用品であるSghrの製品は、職人のもとで生まれ、使い手の暮らしの中で育っていきます。

今回お話しをお聞きしたのは、文筆家として幅広く活躍される甲斐みのりさん。
飴色に艶めいた本棚に囲まれたお仕事場で、ティータイムに使ってみたいと選んで頂いたガラス達を囲みながら、お仕事や暮らしのことをお聞きしました。

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文筆家 /甲斐 みのり

1976年静岡県生まれ。旅や散歩、お菓子に手土産、クラシック建築やホテル、雑貨と暮らし。女性が憧れるモノやコトを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。「叙情あるものつくり」と「女性の永遠の憧れ」をテーマに雑貨の企画・イベントもおこなう。著書に『地元パン手帖』『お菓子の包み紙』(ともにグラフィック社)など多数。
http://www.loule.net/

甲斐みのりさんのセレクト

レトロな風合い残る趣きのあるビンテージマンションの1室にある甲斐さんのお仕事場。
チャイムを鳴らすと甲斐さんが出迎えて下さいました。お部屋にお邪魔すると、ハーブティーの良い香り。そして、壁一面の本棚に所狭しと蔵書が収まっています。
旅や雑貨、お菓子などを題材に30冊以上の本を執筆されてきた甲斐さん。幅広い分野をカバーしながら、どの本を開いても独自の甲斐みのりワールドがあるように思えます。

「自分が好き!と思えるモノやコトを題材にしていて、それらを好きな気持ちって昔から一貫してるんです。古くからの友達からは、ずっと同じことやってるよねって言われるんです(笑)」

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好き!を大切にする

甲斐さんにお話しを聞いた2時間程の時間の中で、一番多くお聞きしたのが「好き」という言葉。少しおおげさに言うと、ひとつの会話に必ずひとつの「好き」が聞こえてきたように思えます。

「旅に出たりすると、わたし常に小走りなんです。あっ!すき!って思った瞬間走り出しちゃうんです。移動中も早く「好き」を見つけたいから小走りです。いつか交通事故するよって言われてしまうくらい、周りが見えなくなるんです(笑)」

どうやら甲斐さんは「好き」を身体感覚レベルまで落とし込んでいる達人レベルのようです。ですが、そんな甲斐さんも「好き」を努力して手に入れたのだと言います。

「昔は、みんなが好きではないだろうものに、好きだと思ってしまうことに孤独を感じた時もありました。ちょうど大学生の時に、将来にいろいろと思い悩み塞ぎがちだった時期があって。その時に「好き」をノートに書き出すってことを始めたんです。このノートが埋まったら私は変われる!と信じて。そしたら、だいたい20個くらいで止まるんですよね。でもそれではノートが埋まらないから、家を出て近くの川に行ってみて一生懸命「好き」を探すんですよね。それでも埋まらなければ、電車に乗って街に出てみる。そうやって必死に自分が思える「好き」を見つけたんです。」

「だから私は「好き」というのは訓練で必ず見つけられるものだと思うんです。その時ひとつのコツとして思うのは、減点法でなくて加点法で物事を見るということ。例えば、今のネット上の評価ってほとんど減点法ですよね。悪い点が見つかったから星を減らす。それに慣れてしまうと、自分の「好き」を持つことが難しくなると思うんです。そうではなくて、良い点を見つけていくことが大事なのかなと思います。そう考えると、旅に出なくても、自分の住んでいる街で、通ったことのない道を歩いてみると、雰囲気のあるお店や、かわいい遊具のある公園、まるで物語の世界にあるような民家だとかを発見することが出来るんですね。」

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あえて同じことを繰り返す、暮らし

「好き!」を原動力にお仕事をされている甲斐さん。
そんな甲斐さんに、ご自身の暮らしのことを聞いてみました。

「仕事も駆け出しで、収入も生活も不安定だった頃、ある友人が毎日何か同じことするって決めたら良いよ。って何気なくアドバイスしてくれたんです。それから、同じことをあえて毎日繰り返すっていうことを自分に課してみようと思って。私の場合は、毎朝起きてお湯を沸かしてお茶を入れるところから始めました。そうすると、毎日同じことを繰り返すことがだんだん楽しくなってきて、お花を綺麗に飾るだとか、3時にはお茶の時間を作るだとか、徐々に増えていったんです。そうすると、自分が安定する1日の過ごし方というのが出来てきて、すごく落ち着いて日々を過ごせるようになりました。乱れてしまうこともあるけれど、すぐに立て直さなきゃって思うんです。」

同じことをあえて繰り返すということ。それは、自分の暮らしの型を作ることのように思います。自分が自分らしくいれる型、場所、時間を暮らしの中で意識して保つ。それは甲斐さんのように、まず何かを決めて実行してみて、自分に合うか合わないかを暮らしの中で選択していけば良さそうです。

「それと、次の自分を想像するということを心掛けています。次の自分が不愉快にならないように先手を打って整えるんです。朝起きたら、今夜寝る自分のためにベットメイキングをするだとか。食べたらすぐに洗い物をするだとか。そうすることで、次の自分は機嫌良く過ごせるんですね。機嫌良くいたいというのが私のテーマでもあるので。」

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過去・現在・未来に物語がある物の面白さ

物を多く持つことに罪悪感がある時代だけど、本当に好きなものだったら良いと思うんです。そう言われる、甲斐さんの部屋にある物は、そのひとつひとつが何かこちら側に語りかけてくるような不思議な魅力を持っているようにも思えます。

「よくレトロなものとか、昭和なものが好きなんですか?って言われるんですけど、特別にそれだけが好きっていうわけではなくて。背景にそれを作る人や物語があるんだよってことを伝えたいんです。それを伝えるためのきっかけとして、見た目の可愛さってとても大事だと思うんです。」

なるほど、不思議な魅力とは物が持つ物語だったんですね。見た目の可愛さの奥に物語がちゃんとある物。取材スタート時からずっと気になっていた、ディスプレイされた大量のしゃもじも、甲斐さんが広島のしゃもじ屋さんに訪れた際に不良品だからと燃やされそうになってたので、もらってきた物なのだそう。こんなに大量のしゃもじは生活に必要ではないけれど、物語が浮かんできます。

「わたしは雑貨なども販売しているのですが、コーヒーの豆缶として販売した商品を見てお客さんがコーヒーは飲まないから。と言われたんですね。でも、たとえコーヒーの豆缶と書いてあっても小物入れに使ったり、封を切ったお菓子を入れたり、用途って自由なんです。そういう風に一人一人使う人が物語を作っていけるというのも、物の面白さだなと思うんです。」

その物が持っている過去である背景の物語を想い、使い手らしい物との付き合い方という未来の物語を楽しむ。そして今を紡ぐのは、ささやかな愛情なのかもしれない。

「物は使ってあげないと死んじゃうよって言われたことがあって。うちにも食器がたくさんあるんですけど、久しく使ってない食器なんかを見てしまうと、あーごめん!って思うんです。一度「好き!」って思って手に入れた物なのに、愛情をかけてあげれなかった事をすごく反省します。」

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ティータイムを彩るガラス

今回、甲斐さんが選ばれた3つの製品。お茶の時間を楽しく演出出来たらということで選んで頂きました。

日頃からお茶の時間が好きという甲斐さん。取材も後半に差し掛かると、ご用意下さったブレンドティーと美味しいケーキを頂きながら、お茶の時間をご一緒しているような気分でした。そして、普段からスタッフの方やお仕事の関係者さんとこの場所でお茶をすることが多いそう。

「実家が静岡なんですが、お茶の名産ということもあってか、母がお茶の時間が好きで。毎週日曜日にはちゃんとティーポットとティーカップを用意してお茶の時間を作ってくれて。その時間が、子供ながらにとても楽しみで。その気持ちが原点にあるんです。」

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甲斐みのりさんのセレクト

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エリー コンポート

「このコンポートは、一目見て、舞台だ!って思ったんです。お菓子達の舞台のようで。今回のような小さなケーキでもクッキーでも和菓子でも載せると可愛いと思います。例えクッキーが一枚でも今日は一日良い日!って女性は思えると思うんです。それと、影がとても綺麗ですよね。」

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ミナ ペルホネン ホイップ

「ミナ ペルホネンが好きで。グラスということでしたが、アイスクリームを入れても可愛いだろうし、お花を挿しても良いですよね。そうやって自分が好きなように自由に使って良いと思うんです。」

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コーズィー ティーポット

中国で作られているという工芸茶をティーポットに合わせてご用意頂きました。ポットの中でゆっくり花が咲くなんとも粋なお茶。目でも見て楽しめるお茶の時間。

あの人の日々と暮らしVol.01初回の今回は文筆家の甲斐みのりさんにお話しを聞きました。
甲斐みのりさんのお話し、いかがでしたでしょうか。
自分の「好き!」を大切にする。改めて新鮮な気持ちで、日々を過ごすヒントになりそうです。
次回のあの人の日々と暮らしVol.02は2018年2月公開を予定しております。

インタビュー 小谷実知世
構成 / 文 / 写真 山根晋
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