Sghr の技術と開発力

暮らしを彩り、暮らしに寄りそう Sghr の製品は、日々、工房で継承され革新されていく技術と、想像と好奇心を核にした開発力によって生み出されています。

Sghr の技術

一口に手仕事によるガラス製造といっても、その製法は製品によってさまざまで、必要な技術も異なります。4000種類以上の製品ラインナップ、そして毎年新しい製品を発表することができるのは、技術の幅の広さ、そしてそれぞれの職人が磨き上げてきた独自の技術があるからです。

また、手仕事による高品質なプロダクトを生み出すには、経験にもとづいた総合的な技術が求められます。例えば、その日その時で変化するガラスの状態を見極め、手の感覚だけで厚みや重さを数ミリ、数グラム単位で調整していきます。これが一瞬のうちにできるようになるには、やはり経験と技術が身体に染み込む年月が必要なのです。

Sghr の開発

Sghr の多くの製品は、職人自らの開発、デザインによるものです。ガラスの特性をよく知り、そのまだ見ぬ可能性に魅了された職人だからこそ、ガラスならではの魅力や美しさをカタチにすることができます。これが、Sghr の製品ひとつひとつに、「ものがたり」がある大きな理由です。

いわゆる、売れるからということを基準にした開発はしません。それよりも、私たちが真摯にものづくりに向き合い、心から楽しみ、試行錯誤した結果として生み出された「こころ」をもった製品こそが、使い手のみなさまの暮らしを、本当の意味で豊かにできると考えています。

Sghr の職人

それぞれに独自の技術と感性でもって、日々ものづくりに励む個性豊かな Sghr の職人たち。熟練した職人であり、使い手の暮らしを想うデザイナーであり、ガラスの新たな表情を生み出すクリエイターでもある、彼ら彼女らのガラスに対する情熱や探究心は止まることを知りません。

●伝統工芸士

国が指定する伝統工芸品の製造に従事している技術者のなかから、高度の技術・技法を保持する職人を認定する制度。Sghr では、現在6名の職人が「江戸硝子」の伝統工芸士に認定されています。

塚本 衛
伝統工芸士塚本 衛

製造部の要として、半世紀に渡り Sghr の製造を支える。ガラスの美しい素材を、一つ一つ大事に日々ガラスと向き合う。代表作に三種の泡シリーズ「神秘的に立ち昇る泡」をデザイン。型吹きのほか、川プレート・カナといった宙吹きを担当。

秋山 光男
伝統工芸士秋山 光男

Sghr の人気シリーズのポウサやブルーメなどを製造。ガラスの本質を追い求めながら、手触りの良さや、程良い大きさなど、ライフスタイルに合うデザインを目指す。自身のデザインに、エアーリップやアラなどがある。

内藤 有紀
伝統工芸士内藤 有紀

やわらかい流線形のデザインや製造を得意とし、代表作にはリングスタンドがある。直接手で触れられないガラスの魅力を、道具を介し表現する。台広げを使ったトゥッティーやパレットといったプレートの製造も担当。

松浦 健司
伝統工芸士松浦 健司

カメリアやカスケードなど Sghr を代表する製品から、a wa glass や幻など、革新的な製品のデザインも手掛ける。製品開発の中心を担い、ガラスの魅力を引き出すため日々研究を重ねる。製造は主に型吹き、宙吹きを担当する。

伝統工芸士。主にワイングラスの製造に携わる。機能、ガラスの美しさ、そして Sghr らしさを兼ね備えた、究極のワイングラスを追い求め続ける。自身はお酒グラスを中心に、ボウルなど幅広いジャンルのデザインを数多く手掛ける。
主に種まき、下玉づくり、矢吹、下巻きといったアシスト作業をしながら、製品のデザインも手掛ける。自然をモチーフにした代表作 di acqua のように、ガラスの美しさを感じられるような表情を常に探求している。
自身のデザインしたことりの一輪挿しや型吹きの製造、ほかに「巻き屋」と呼ばれる上ダネ巻きなども担当。丁寧に一つ一つの工程を重ねることで良いものづくりを目指し、自身のデザインや作品では出来るだけ他にはないものを求めて日々ガラスを探求している。
宙吹きのアシスタントや、自身の型吹きデザインを作るほか、アクセサリーなどの開発にも携わる。二度の育休を経て、製造の現場へ復帰。使う人が日々楽しく幸せになるような、そんなものづくりへの想いを膨らませる。

確かな技術と開発力から生まれるもの

これまで、確かな技術と開発力を掛け合わせ、Sghr にしか生み出すことのできないガラス製品を数多く生み出してきました。それらが、暮らしの中で新たな価値をもって、みなさまの日々に溶け込んでいることが私たちの喜びです。ここでは、その一部をご紹介いたします。

DUO
Sghr 製品の中で多種に使われる技法の「重ね」。2色以上のガラスを重ね、型に吹き込み成型する。「重ね」を応用することで、様々なガラスの表情を生み出すことができます。
3 TYPES OF BUBBLES
ガラスにとって不要なものとされた「泡」を、敢えてデザインに取り入れたグラス。
「神秘的に立ち昇る泡」の他、「規則的に並んだ泡」や、「深海から沸き起こる泡」などがあります。
CAMELLIA
プレートに花を施す作業は、チームの息を合わせることがより求められます。花を綺麗な形にするのは、熟練した職人の目と手によるもの。ガラスの硬さや付けるタイミングなど、様々な要素を見極めていきます。
NATSU
プレスにより作られるプレート。ガラスの量や厚みなどは職人の指先の感覚で調節されます。
また、水に絵の具を垂らしたような、マーブル模様の風合いも Sghr ならでは。

ガラスのものづくりは、大変な仕事です。約1400℃の高炉を囲んで仕事をしますから、夏であれば室温は50℃近くにもなります。かつ、いつも精神と身体を研ぎ澄まし続けなければなりません。この過酷な経験を積み重ね続けなければ、本当の技術は勝ち取れないものです。想像するだけで気が遠くなりそうです。しかしなぜ、そうまでして職人たちはガラスと向き合うのでしょうか。その答えは、ここ、九十九里の工房にあります。溶けたガラスの柔らかい表情、それと向き合う職人たちの姿、迷うことなく仕事をする手や身体、ほとばしる汗、時折さわやかに駆け抜ける海風。ぜひ、私たちのものづくりを味わいに、工房にもお越しいただければ嬉しく思います。

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