ガラスの新しい可能性を追い求め、想いを込めた2025年の新コレクションをご紹介します。
数量限定の希少な休止品を紹介する、オンラインショップを公開しています。
つくり手である我々と、使い手である皆さまが一緒になってものづくりができたら、とても素敵だなぁとスタートしたデザインコンテスト。
今年のコンテストのテーマは、「ガラスの小鉢」。
日本の食卓には欠かせない「小鉢」というテーマに、317点ものご応募をいただきました。
ご応募いただいた皆様、心より御礼申し上げます。
今回の審査は、
・株式会社中川政七商店 代表取締役社長 千石 あや さま
・株式会社中川政七商店 商品企画開発課 渡瀬 聡志 さま
・菅原工芸硝子 代表取締役 菅原裕輔
そして第一次審査および、すべての試作を担当した Sghr 職人の松浦健司で、皆さまの想いを受け止めながら、真剣に検討させていただきました。
一次審査・二次審査を経て、最終候補作を実際にガラスで試作を重ね、先日、奈良の中川政七商店本社にて、最終審査を行いました結果、最優秀賞1作品と、優秀賞3作品を選ばせていただきました。
作品名:「ほのか」
作者:大國 綾子さん
コンセプト:いつもの料理も、買ってきたデザートを盛り付ける時も、「いつでも使える」をモットーにデザインしました。
上下のガラスをクリアと不透明に分け、ほんのり中の色が透けてどの料理でも馴染むようにしました。また、「洗いやすさ・重ねて置ける・丈夫」といった利便性も考慮し、長く使える小鉢にしました。
審査員の講評
千石さんからのコメント
すりガラスとクリアのツートンが、モダンでやさしい印象の器です。シンプルな形の中に、重ねやすさや強度などの工夫があり、毎日の食卓で気持ちよく使えそうです。
佇まいの良さと使い勝手が同居した、さりげない新しさのあるデザインで、先付からデザートまでどんな料理を盛り付けてもその美しさが引き立ちます。
完成度の高さが際立つ作品であり、季節ごとに限定カラーを展開するなど、長く愛される商品へと育っていく未来を感じました。
渡瀬さんからのコメント
一番使いやすそうで、食卓にある風景がしっかり想像できたのがこの作品でした。
丸い器が多い食卓に心地よいリズムを生む四角い形状で、スタッキングできる実用性や、フロスト加工の切り替えのアクセントなど、細やかな配慮が組み合わされていて、ありそうでないバランス感。
「ほのか」という名にふさわしく、どんなシーンにもさりげなくやさしく馴染むデザインが、小鉢として求められる要素にしっかり応えていることが好感を持ちました。
「春夏秋冬の空」江花 理恵さん
「一丁小鉢」佐藤 誉晃さん
「yo:yo」林 三津子さん
審査員のコンテスト総評
千石さん
小鉢は普段使いの食器ということもあり、見た目の美しさだけでなく、使いやすさや扱いやすさ、そして使う人のことを丁寧に考えたものが多く、ひとつひとつに思いや工夫が込められていました。
選考では、デザインとしての魅力と機能のバランス、使う人の姿をどれだけ想像しているか、そして「欲しいと思えるか」「ワクワクするか」といった気持ちの部分も大切に見させていただきました。
選考の時間はとても楽しく、同時に悩ましいひとときでもありました。それだけ一つひとつの作品に力があり、作り手の思いが伝わってきたのだと思います。
そんな皆さんの思いが、使う人の暮らしの中でゆっくりと育っていくことを願っています。
渡瀬さん
普段、私たちが取り組むものづくりとは異なる視点からの新鮮なアイデアに数多く触れることができ、「小鉢」という器からこれほどまでに豊かな世界が広がるのかと驚きながら、楽しく審査をすることができました。
また、その自由な発想が職人の手によって実際に形になっていく選考の過程も含めて、ガラスという素材の表現の可能性を改めて感じさせてくれる機会にもなりました。
このコンペから生まれる新しい器が、これからの日本の食卓にどんな景色を作ってくれるのだろうと、今からとても楽しみにしています。
貴重な出会いをありがとうございました。
最優秀賞の「ほのか」は、12月13日(土)、Sghr スガハラショップ各店及び Sghr オンラインショップで発売を予定しております。
どうぞお楽しみに!
1716 年に麻織物で創業した奈良の老舗。
「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げ、日本の工芸をベースとした生活雑貨の製造小売業を展開する他、合同展示会・業界特化型の経営コンサルティング・教育事業も実施。
2021 年4 月にはまちづくりの拠点である複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング」を創業地に開業。奈良という地からビジョン実現に向け取り組んでいます。
https://nakagawa-masashichi.jp/