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「にはたづみ」で味わう日本の風情

2021-01-25

「にはたづみ」
それは、雨などによる水たまり、または溢れ出る水のこと。

古文の枕詞で、「行潦」また「庭潦」と書き、その情景は恋の歌として、鎌倉時代の和歌集でも詠まれています。雨が降ったあとの水たまりや、流れ出る様を詠むなんて、なんとも日本らしいですね。

昨年の6月、デザインを一般公募した「冷茶のグラスコンテスト」にて、最優秀賞の作品として選ばれたグラスに付けられたその名前が「にはたづみ」。冷たいお茶を注ぐとできる結露がグラスを伝い、ソーサーのくぼみに水がたまるようなデザインになっています。

デザインコンペの応募総数177 点の中から選ばれたのは、大阪在住で家具づくりのプロフェッショナルでおられる戸﨑佳人さん。

「家具設計をしているため、 冷たいお茶を飲むときにできる結露で、机に水滴のしみをつくらないようにと、ソーサー付きの冷茶グラスを作ろうと思いました」

結露がでないように、ではなく、結露も美しく、景色として見せる。そんな風情のあるグラスに注がれたお茶は、心なしか庭の緑を思わせる美しい色をしていました。

デザインでこだわられた点を戸﨑さんにお聞きすると、まずはグラスのカーブについて。唇にフィットしやすいように、人の唇のカーブにあわせているのだそう。
もうひとつは、グラスの底とソーサーの輪っかの直径を合わせること。ソーサーに窪みを作り、グラスから水滴が伝って、ソーサーの溝にうまく流れるようになっています。グラスの底にも水滴が残らず、ソーサーに水滴が移る形になっているので、グラスを持ち上げても水滴が垂れません。

また、お茶を淹れたときに、ここまで注ぐと綺麗に見える。そんな目印のラインを、口元近くにうっすらと残したデザインになっています。それにより、人数分淹れるときには、同量のお茶を注ぐ目安にもなります。

そんな「にはたづみ」にぴったりのお茶として、Sghr 直営店やオンラインショップで販売しているのが大河内煎茶です。「お茶で対立のない優しい世界をつくる」を理念に掲げるTeaRoom さんの茶葉は、淹れたときの香りから、色、味すべてが上質で、まるで透き通るような爽やかさ、そして柔らかさを感じられます。

TeaRoom × Sghr 茶葉・にはたづみ GIFT

「にはたづみ」は温かいお茶も淹れていただけます。そもそもお茶はお湯が熱すぎると、渋みや苦みが強くなってしまいます。ちなみに大河内煎茶の美味しい淹れ方は、90度のお湯を、急須で1分蒸らすと良いそうです。「にはたづみ」と大河内新茶を、おうち時間のひとときにゆっくり味わってみませんか。

にはたづみ:冷茶グラス

 

1月31日には、2周年を迎えたSghr 淀屋橋発信の企画として、戸﨑佳人さんをお招きして、オンライントークイベントを開催します!
当日は、戸﨑さんには淀屋橋店にお越しいただき、Sghr 工房とつないで、職人の松浦によるデモンストレーションなどを交えながら、お届けいたします。視聴されている皆さまからも、チャットで戸﨑さんや職人への質問も受け付けています。ぜひご覧ください!

オンライントークイベント
「冷茶のグラスコンテスト」グランプリ受賞者  戸﨑佳人さんを迎えて
1 月 31日(日) 14:00~15:00
Sghr YouTube チャンネルにてライブ配信