Sghr スガハラショップ淀屋橋

Sghr の製品を実際に手にとって見ていただける直営店が、全国には6店舗あります。東京の青山と銀座、大阪は淀屋橋に梅田、福岡の博多、そして工房のある九十九里。それぞれの街に個性や雰囲気があり、そこで暮らす人々や訪れる人々に寄り添うようなお店づくりをしています。シリーズ「あの街のスガハラショップ」では、それぞれのショップと、そこで働くスタッフが個人的にお薦めする『食』『場所』『景色』を紹介していきます。第2回目は淀屋橋店です。

長年、関西の皆さまに愛されてきた芦屋店を引き継ぐショップとして、2019年にオープンした Sghr スガハラショップ淀屋橋。駅からのアクセスも近い商業施設「淀屋橋 odona」の大通りに面した開放感のあるお店です。2フロア構成の店内は、多くの製品をゆったり見ていただける広々とした空間。

1階にあるドーム型にデザインされた大きな什器が象徴的です。前面に大阪のメインストリートである御堂筋を見渡すことができて、都心部でありながらも抜けのある光が店内に差し込むことで、陳列されたガラスはきらびやかに凛とした表情をしています。

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開放感のある2フロア構成
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ドーム型の什器
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ガラスに映り込む御堂筋の風景

Sghr スガハラショップ淀屋橋の立地する淀屋橋エリアは、大阪の歴史文化の中心地である中之島と橋を隔てて近接し、今も文化的な薫りが色濃く残る場所です。また大阪の伝統的なオフィス街としての脈々とした歴史があり、戦前の貴重な建造物が残りつつも、現代的なビルが立ち並ぶ景観があります。

新旧の文化とビジネスが折り重なり、お店の前を南北に伸びる御堂筋沿いのイチョウ並木は四季のうつろい、訪れをその美しさでもって教えてくれます。こうしたことが、淀屋橋に Sghr のショップがある由縁です。

そして実は、ショップから徒歩圏内の大阪天満宮付近は大阪のガラス産業の発祥の地でもあることから、土地のひそやかな歴史と繋がりを感じる場所でもあるのです。

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ガラスが埋め込まれている記念碑
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戦前は多数のガラス関連工場があったそう
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「新緑から深い緑に変化し、秋には黄色に色づきます。冬に落葉した頃にはキラキラしたイルミネーションで彩られ、1年を通して様々な姿を見せてくれます」(スタッフ森田)

と、お店のスタッフにおすすめしてもらい、まずは目前の御堂筋のイチョウ並木を散策。
取材に訪れたのはまだまだ暑さの残る9月中旬で、黄色に色づくのはまだ先ですが、この御堂筋が一面黄色に色づく光景はさぞ心躍るだろうなと想像します。

それにしても淀屋橋近辺の街並みは思わず目を凝らしてしまうような古い趣きのある建造物が多く、同じ視野に新しいビルが違和感なく共存していて、そうした新古の時間がまるでミルフィーユのように重なる景色が印象的です。

街歩きの休憩に、ショップのすぐ裏にある老舗和菓子屋の鶴屋八幡大阪本店へ行きます。

「和菓子が好きなので、時々買って休憩中に食べています。個人的にはどら焼き“舞鶴”が絶品です!」(スタッフ稲川)

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新旧の建物が重なる景色
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どこまでも続くイチョウ並木
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歴史的建造物が多い街並み
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鶴屋八幡大阪本店の「舞鶴」

実際に掛かる淀屋橋を渡り、大阪の文化中心地である中之島へ歩きます。中之島は地理的に大阪湾への航路拠点にあったので、江戸時代には諸藩の蔵屋敷が集中しました。そして明治になると蔵屋敷は払い下げられ、現在に続くさまざまな文化施設が立ち並ぶようになったという時代背景があります。

淀屋橋を渡り右手へ、川沿いを歩くとすぐに見えてくるのが、国の重要文化財である大阪府立中之島図書館です。1904年に開館した姿がそのままに残っており、写真に収めたくなる建築的な美しさが随所にあります。

「2階にあるスモーブローキッチンは、大きな窓から木漏れ日が降り注ぐ中で楽しむモーニングがおすすめです!」(スタッフ森田)

そして、これまた象徴的な歴史建造物である大阪市中央公会堂「地下のレストランで味わえるオムライスが絶品です!」(同じくスタッフ森田)や、世界第一級の陶磁器コレクションを誇る東洋陶磁美術館を横目に、建築家の安藤忠雄氏より寄贈された、こども本の森 中之島へ。

決して子どもではありませんが勇気を出して入ってみることに。すると、子どもだけでなく大人も思い思いに読書を楽しめる空間になっていて、中之島の地形と呼応するような建築のなか、ゆったりとした時間を過ごすのに最適な場所でした。

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大阪府立中之島図書館の象徴的なドーム
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威風堂々した正面玄関
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色褪せない美しい意匠
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川に浮かぶ船のような建築

昨年、2022年に開館した中之島美術館は、

「ブラックキューブと呼ばれる大きな黒い箱のような外観が特徴で、中に入ると大きな吹き抜け空間が広がります。展示はもちろんですが、ミュージアムショップにはおしゃれなグッズが並びアートに詳しくなくても気軽に足を運んで楽しめる場所です」(スタッフ中村)

とのことで、地下鉄に乗って中之島を東から西へ移動します。
京阪電車の中之島駅を降りてしばらく歩くと、存在感のある黒い塊が見えてきました。日光を吸収する真っ黒な外観は、この建築自体がアートであるとも言えます。

展示を見た後は、甘いものが食べたくなりスタッフおすすめの Philo&Co.へ。

「伊勢志摩サミットでデザート監修された赤崎シェフのお店です。お店のオープンキッチンがオーケストラの壇上のようでシェフたちの舞台のようで素敵です」(スタッフ原)

歩き回って疲れたので、美しいスイーツは持ち帰ってホテルでいただくことに。翌朝は前日に行くことができなかった中之島の東端にある中之島公園へ。

「バラ園が有名で、5月と10月のシーズンには数百種類が咲き誇り、人で賑わいます。犬も連れて入れる芝生の広場があったりと、大阪の真ん中でこれほど緑のなかでゆったり時間を過ごせる場所はないと思います。木陰に座って両側に流れている川を見ていると、大阪は水の都なんだと実感できます」(スタッフ稲川)

公園でのんびりした後は、淀屋橋の旅の締めくくりにスパイスカレーを食べに。

「ボタニカリーは、食感の違いを楽しめる色とりどりのお野菜とピクルス、クリームチーズ豆腐などのトッピングがあります。見た目もカラフルで可愛らしく女性にも大人気です」(スタッフ森田)

スガハラショップ淀屋橋から徒歩10分ほどにある本町店は不定期オープンのため、梅田の阪神百貨店9階のフードコートにあるお店で絶品のスパイスカリーを味わい帰路に着きました。

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前庭にはヤノベケンジ氏の作品
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圧倒的な存在感の建築
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Philo&Co. 店員さんおすすめのケーキ2種
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川と緑とビルが一体となる景色
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スパイスの複雑な味がミックスするボタニカリー
構成 / 文 / 写真 山根晋
2023年10月

Sghr スガハラショップ 淀屋橋

〒541-0042 大阪府大阪市中央区今橋4-1-1 淀屋橋 odona 1F/2F
Tel:06-6201-2611 Fax:06-6201-2612

営業時間 11:00~20:00
無休(不定休あり)

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『食』のおすすめ
・鶴屋八幡大阪本店のどら焼き「舞鶴」
・Philo&Co.の洋菓子
・ボタニカリーのスパイスカリー

『場所』のおすすめ
・中之島エリア
中之島図書館/こども本の森 中之島/中之島公園

『景色』のおすすめ
・御堂筋のイチョウ並木
・淀屋橋の街並み

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