クリアー

光を透す、ガラスの輝きや美しさは「色」があることで、さらに多彩な表情を見せてくれます。また、「色」が私たちに感情のようなものを運んできてくれるのであれば、暮らしのなかで「色」は、とても大切な役割を担っているようにも思えるのです。シリーズ「色と暮らす」今回はクリアーを紹介します。

ガラスは光を透過させることで、透明な輝きをまといます。その透明な輝きは、光それ自体がカタチをもったよう。また透明であることで、飲みものや料理などの色がそのまま反映されることから、透明とは何色にでもなれる色とも言えそうです。光の輝きと、さまざまに変化する姿をお愉しみください。

光はカタチを持って、そして色になる

水の感情の色、耳を澄まして聞く

食卓の上に集まる、光の色

何色でもなく、だからこそ何色でもある色

クリアーのガラスには、不思議な存在感があるように思います。物はいつも、それ固有の色を持ってそこにあるのに、クリアーのガラスは物であるのに色がなく、確かにそこにあるのに、透明な存在感を感じます。それは普段、当たり前すぎて意識することのない光の存在をそっと教えてくれているような気がします。

構成 / 文 / 写真 山根晋
2023年8月