毎日のフラワーベース

花のある暮らし。毎日さりげなく、あたりまえのように、そこに花があったら嬉しい。切らしたら困ってしまう食パンやコーヒー豆、あるいは梅干しや納豆のように、花の美しさや香しさ、清々しさを毎日身近に感じていたい。暮らしを彩るどんな花でも活けやすい、毎日使いたくなるフラワーベースを、花屋「橘」さんのフラワーコーディネートで紹介します。

LILAS / リラ

朝起きて、まだ誰もいない静かなリビングでぼぅとしてコーヒーを飲んでいると、まあたらしい光を浴びた花や植物たちの姿に見入ってしまうことがあります。時には美しい影が壁に伸びていて、思わず声が漏れます。そうして、ふと気づくと、自分の手や額にも光が降り注いでいて、体がふんわりと温まってくるのを感じるのです。

〈リラ モール・カーボンブラック〉は、全体の柔らかな膨らみに沿うように直線のモールが入っています。カーボンブラック色がクールな印象で、男性でも選びやすいフラワーベースです。これに合わせて、あえて花ではなく葉ものをメインにして、ピンクの差し色『ドラセナ』をアクセントに。その他に、スモークグラス、ミモザ、グレビリアを。「お花にとらわれず、葉ものだけを活けるのもありです。お部屋にある観葉植物のようなイメージで。それと葉ものは長持ちするものが多いので、その分、長く楽しめるのも良いですよね」(橘さん)

 

FIORA / フィオラ

家に帰ってきて、食事の美味しそうな匂いと、疲れをほどくような綺麗な花が活けられていたら、心底ほっとします。きっとそれは大人だけじゃなくて、子どもにとっても。おかえりと言ってくれる花々は、かぞくの大切な記憶の原風景となるのでしょう。

〈フィオラ Sサイズ・クリアー〉は、まるで金魚鉢のようなまん丸のフラワーベースです。花を活けなくとも可愛い存在感があります。今回活けたのは、ユーカリとコチアのグリーンに、アランダ(ラン)とカーネーションでアレンジ。「丸かったり、横に広がっている背が低いフラワーベースは、それを生かしてふんわりボリュームを出して、幅と高さを意識して活けると良いと思います。ひとつ注意点として、葉は水のなかに浸らないようにしてください。バクテリアが発生して、水が痛みやすくなります」(橘さん)

 

HELEN / ヘレン

家に親戚や友人を呼んで、楽しい時間を過ごす。そんな時、美味しいお茶やお菓子の他に欠かせないのは、やっぱり花です。ボリュームを作って空間を清々しくするか、大きな一輪の花におもてなしの心を託してみるのも良し。たまには恥ずかしがらず、花や植物の力を借りて素直な想いを伝えてみても。

〈ヘレン 四角 S サイズ・ワインレッド〉は、ハンドメイドならではの絶妙なねじりが加わったフラワーベース。ねじれた箇所は花留めにもなります。また、底にガラスの厚みがある分、ワインレッドの色が濃くなっていくグラデーションも美しい製品です。「花器の曲線と光のゆらぎの美しさを引き立てるために、花はシンプルに。頭の大きいエレガントな花を一、二輪活けるだけでも素敵です。選んだのは、真っ白ではなく花器と同系色の縁取りの入ったアマリリス。茎のみずみずしい美しさまで楽しめるのがガラスの器のいいところです」(橘さん)

 

「橘」の花×フラワーベース

今回の記事で、フラワーコーディネートを担当してくださったのは神奈川県逗子市にお店を構える「橘」の店主・橘優子さん。「橘」さんは、「旬のもの」「良いもの」「愉快なもの」を掲げて、花と緑を愉しむさまざまなサービスを展開しています。(例えば、花器を持ち込んでその場で活けてもらえるサービスであったり)

そして、今回掲載した3つのフラワーベースとお花のセットを、2023年1月15日よりオンラインショップ限定で販売をします。届いたらすぐに、そのままお花を愉しむことができます。詳細は、近日中に Sghr のホームページにアップいたします。


249-0006
神奈川県逗子市逗子7-3-44-1F
046-815-1128
HP:https://tachibana.florist

構成 / 文 / 写真 山根晋
2023年1月